クオリアの問題にとって大きい転機となる
1974年には、クオリアの問題にとって大きい転機となる論文が現れた。アメリカの哲学者トマス・ネーゲルが提示した「コウモリであるとはどのようなことか」という思考実験において、物理主義はクオリアの具体的な表れについて、完全に論じ切れていない、という主張が強くアピールされたのである。1982年にはオーストラリアの哲学者フランク・ジャクソンが、マリーの部屋という思考実験を提唱し、普通の科学的知識の中にはクオリアの問題は還元しきれないのではないか、という疑念が提唱された。こうしたネーゲル、ジャクソンの論文が登場しはじめた1970年代後半あたりから、徐々に科学や物理学との関連の中でクオリアの議論が展開されることが多くなった。
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最終的にこの流れを決定付けたのは、オーストラリアの哲学者デイヴィッド・チャーマーズである。1995年から1997年にかけてチャーマーズは一連の著作を通じて、現在の物理学とクオリアとの関係について、非常に詳細な議論を展開した。この議論が大きな反響を呼び、今まで一部の哲学者の間だけで議論されていた「クオリア」の概念が広い範囲の人々(脳科学者のみならず工学者や理論物理学者などまで)に知れ渡るきっかけのひとつとなった。以後、現在に至る。
現象的意識や主観的体験などもクオリアとほぼ同義の言葉である[要出典]が、しかしながらこれらの言葉は「同時に体験されている種々雑多なクオリアの集まり全体」のことを指して使われる事が多い。